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自転車大国、日本の困惑。

この映画を観て涙した人は少なくないはずだ。1948年公開の「自転車泥棒」は、不意に盗まれた自転車を、幼い子どもとその父親がローマの街中探し回る人間模様を描いたイタリア作品。この頃のヨーロッパは、かなり自動車が普及していたが、自転車も庶民の移動手段として人気だった。

イタリアに限らずヨーロッパ各国は自転車大国と言われ、100人当たりの保有台数が世界で上位を占めている。1位オランダ、2位ドイツ、3位デンマークと続き、イタリアは9位だが、日本も堂々6位にランクインしている。しかし、同じ自転車大国であるヨーロッパと日本の違いは放置問題だろう。環境問題への意識が高いヨーロッパでは、エコな自転車の活用が積極的で、しかも所有者のモラルもしっかりしている。それに比べて日本は、主に都市部の駅前ではあるが、スクラップ置場のように⾒える所もある。

この問題は、自治体、住民、駅、商店街などを巻き込んでますますエスカレートしている。駐輪場も各所で整備されてきてはいるものの、自転車の保管、防犯登録、撤去などの作業を考えると困惑状態が続いている。 映画の親子のように、盗まれた自転車を必死で探し回る光景は今の日本では少ないと思うが、ものを大事にする心、他人や地域に迷惑をかけない心があってこその自転車大国ではないか。

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